アイロンワッペンの上手な付け方を解説します。アイロンを使ったワッペンの接着手順と注意点、準備しておく道具、アイロンの設定温度、当て布の使い方などを紹介。刺繍ワッペンはご家庭のアイロンでお洋服やバッグに簡単に接着できます。
アイロンワッペンを貼り付ける前の準備
刺繍ワッペンは家庭のアイロンで簡単に洋服やバッグに付けられます
ワッペンの付け方はシンプルです。アイロンワッペンはご家庭にあるアイロンで簡単に布製品やお洋服に貼り付けることができます。
mimi刺繍で販売中のワッペンは「ステッカーワッペン」と「アイロンワッペン」の2種類がありますが、両方ともアイロンで貼り付けられます。
ワッペンの種類
- ステッカーワッペン…ステッカーとしても貼れるシール付きアイロンワッペン。裏紙を剥がして付けます。背面がぺたぺたします。
- アイロンワッペン…アイロンで付けられる普通のワッペン。ノリは透明。熱で溶けます。触るとつるつるしています。
アイロンをかける前に用意する物
- ワッペン(アイロンで取り付ける接着シート加工済みのもの)
- アイロン(中温など温度調節が可能なもの)
- アイロン台(熱をかけても問題ない台であれば可)
- 当て布(滑りが良いものであればなお良し)
注意事項!ワッペンの表と裏の向きにご注意下さい
ワッペンの表と裏は間違いやすい
ワッペンの裏には接着用のノリ(接着シート)が付いています。貼り付ける際には、表と裏の向きを間違えないようにしてください。
ノリと言ってもべたべたすることはありません。触るとツルッとした感触です。ノリの色は半透明で無臭です。
ワッペンの保管方法にも注意
ノリなので取っておく場合は高温多湿はお避け下さい。乾燥剤等と一緒に保管する事をおすすめします。
アイロンワッペンの付け方:手順
- (1)ワッペンを付ける場所を決めます
- (2)生地がアイロンに耐えられるか確認します
- (3)アイロンを中温(150℃前後)まで加熱します
- (4)ワッペンを印を付けた場所におきます。
- (5)ワッペンの端をマスキングテープで仮止めします。
- (6)ワッペンの上に当て布をかぶせます。
- (7)仮接着:アイロン(中温)で真上からワッペンを押さえます(5秒ほど)
- (8)一度当て布を外し、仮止めに使っていたテープを剥がします。
- (9)本接着:様子を見ながら付くまでアイロンで押さえます(約30秒)
- (10)表と裏の両面にアイロンを当てるのがコツ
- (11)本番接着の工程(9)~(10)を数回繰り返します。
- (12)熱を冷ましたらできあがり!
- 完成品サンプル:オリジナルTシャツが簡単に作れます
(1)ワッペンを付ける場所を決める
最初にお手持ちのお洋服やバッグなど、ワッペンを付けたいアイテムの上にワッペンを仮置きしてみます。
近くから見るだけでなく、ちょっと遠くから離れて見たりして、全体のバランスを考えて置いてみましょう。
位置を決めたら印を付けておきましょう
なおアイロンワッペンはずれやすいのでワッペンを付ける場所を決めたら、軽く印など付けておくと良いでしょう。ワッペンを貼れば印は隠れるので大丈夫です。
ベストポジションで写真を撮っておくのも良いかも知れません。
(2)生地がアイロンに耐えられるか確認します
貼り付ける場所の生地の種類を確認します。たいていのお洋服やバッグには洗濯表示マークを記したタグが付いています。このタグにはアイロンが掛けられるかどうかも表示されています。写真のバッグはナイロン製なのでアイロンも洗濯も全てバツ(×)マークが付いています。避けた方が良さそうです。
ワッペンは高温のアイロンで接着するので、高い温度に耐えられない生地に貼り付けることはできません。特にアクリルやナイロンなどの合成繊維は高温に弱く、ポリエステルなどは高温だと溶け出してしまいます(ペットボトルが溶けているイメージです)。
ワッペンに不向きな生地は、まつり縫いなどで付けてください
防水加工されているもの、コーティング加工済みのもの、収縮性のある靴下などの生地は、アイロン接着には不向きです。生地が傷む可能性があります。
またキルティングや毛糸類、起毛素材、タオルなどの凹凸感ある生地もアイロンワッペンには向きません。写真はスエード(ベロア)のジャケットです。アイロンで付けても剥がれてしまうので、そのような場合はワッペンの端にミシンをかけるか、糸でまつるなどをしてお付け下さい。
(3)アイロンを中温(150℃前後)まで加熱します。
アイロンをドライ中温(約140℃~150℃)に設定して温めます。温度設定ができる普通のアイロンはこれでOKです。
しかし写真のような温度設定ができないアイロンの場合は注意が必要です。写真はパナソニック(Panasonic)の衣類スチーマーNI-FS350-Kブラックです。取扱説明書によるとアイロン面の温度は中温(約150度)とされているので、これは大丈夫です。
熱すぎると服やワッペンを傷めますので、取扱説明書をよくご確認ください。温度管理には注意してください。
mimi刺繍のアイロンワッペンは中温(150℃前後)タイプです。
mimi刺繍のアイロンワッペンは低温(120℃前後)接着タイプではありません。一般的な中温(150℃前後)タイプです。生地が高い温度のアイロンに耐えられるかどうかご不安な方は、裏面の端の生地など目立たないところにアイロンを当ててお試しください。
どれぐらいの高温に耐えられるのか、耐えられたとしてもアイロンがしっかり張り付くまで保つのかどうか、化学変化が起きないか確かめてから、接着を行ってください。
もしもアイロン不可の生地だった場合は、シールワッペンを選ぶか、低温接着タイプのワッペンにカスタマイズする必要があります。mimi刺繍では直刺繍もおすすめいたします。
(4)ワッペンを印を付けた場所におきます。
位置がずれないように気をつけてワッペンをセッティングします。軽く印がつけてあれば、スムーズです。
写真は文字を直刺繍したTシャツにサーカス団の熊のオリジナルワッペンを配置したところです。胸ポケットの上の位置が良いですね。
異物が無いか、接着面が汚れていないか確認してください
接着面の汚れはよく落としてください。既に着ていたり、利用しているものであれば、洗ったり、汚れを拭いたりすると良いでしょう。またきちんと乾かしておいてください。ワッペンの背面、接着面にも汚れが無いかチェックしましょう。異物があると盛り上がったり、きちんと付かなかったりします。
(5)ワッペンの端をマスキングテープで仮止めします。
ワッペンを置く場所を決めたら、これ以上ずれないように仮止めします。ワッペンの端っこにマスキングテープを貼りましょう。両面テープでも大丈夫です。接着力が強力なものは避けてください。
またテープはあくまで仮止め用です。あまりべったり貼らないようにしましょう。素材によっては高温で熱するとノリが溶ける可能性もあります。写真は100円ショップで売っているマスキングテープです。こういうもので十分です。
(6)ワッペンの上に当て布をかぶせます。
ワッペンの上に当て布(あて布)をかぶせます。当て布はワッペンや衣服が傷まないように保護するために当てる布です。当て布がないと、アイロンの熱に直接、ワッペンや生地がさらされます。すると熱でワッペンが溶けたり、生地が傷んで跡が付いたり、テカったりしてしまいます。大きめの当て布をふわりとかけてあげてください。
テープで仮止めしてあれば当て布をしても下のワッペンは動きません。
当て布はハンカチや手ぬぐいなど綿の生地をお使い下さい。
当て布はある程度、薄い方が良いので、綿100%のハンカチや、無地の手ぬぐいがおすすめです。
当て布自体はワッペンと生地を保護するためのものなので、汚れてなければ何でも構いません。しかしタオルは厚みがありすぎて熱がうまく伝わらないのと、滑りにくくアイロンがうまくかからないので避けてください。
また当て布に柄や絵が描いてあると、アイロンの熱で色移りしてしまうことがあります。そのためできるだけ無地か白い布を使ってください。
(7)仮接着:アイロン(中温)でワッペンを真上から押さえます(5秒ほど)
いよいよアイロンを押し当てます。中温(150℃前後)にしたアイロンで、当て布の上からワッペンを押さえます。ポイントは真上から全体に押し当てること。こすらずに上から押す様にアイロンをあてるのがコツです。
この最初のアイロン掛けは、軽く接着させるためのものです。長く当て過ぎないようにしましょう。5秒ほど当てれば十分です。
(8)一度当て布を外し、仮止めに使っていたテープを剥がします。
5秒ほど当てたら離して、当て布を外します。最初の熱で接着面が溶け、仮止め効果が出ているはずです。触ってみて動かないことを確認したら、仮止めのマスキングテープを剥がします。
マスキングテープはワッペンを固定するために付けておいたものです。しかしあまり長時間、高温を当てるとマスキングテープが変化する可能性があるので、早めに外します。これで本番接着の準備が出来ました。
(9)本接着:様子を見ながら付くまでアイロンで押さえます(約30秒)
仮接着が出来たので、後は本番接着だけです。再度、当て布をかぶせ、アイロンを押し当てて下さい。5秒ずつ、当てては離して様子を見ます。問題が無さそうであれば、合計で約20秒~30秒ほど当てます。
ただし接着時間はあくまで目安です。素材の生地や、布の厚み、種類によって安定するまでの時間は異なります。そのため必ず、様子を見ながら接着時間を調整して下さい。
こすらないように真上から押し当てるのがコツです
アイロンを当てる際は必ず上から押し当てる様に押さえて下さい。擦るようにアイロンを当てると、ワッペンがズレたり、裏面の接着剤がはみ出したりします。
(10)表と裏の両面にアイロンを当てるのがコツ
最初の30秒が終わったら、生地を裏面に返します。表と同じように当て布をかぶせ、ワッペンを下からアイロンで押さえます。接着生地の裏と表、両面からアイロンを当てることでしっかりと接着します。
ワッペンの表面からだけではなくて、裏側からも熱するのがキレイに付けるコツです。
(11)本番接着の工程(9)~(10)を数回繰り返します。
表面と裏面から約30秒ずつアイロンを掛ける工程を繰り返します。決してこすらず、ワッペンの隅々までカバーするように、アイロンを順番に押し当てていってください。これによりワッペンが満遍なくしっかり接着できます。
(12)熱を冷ましたらできあがり!
本番接着の工程を数度繰り返したら、アイロンを外してしばらく冷まします。この時、ワッペンは接着シートが溶けている状態です。しっかり付いているかどうか心配ですが、ここでいじると剥がれてしまいます。なのでしっかり乾くまで、触らないようにして下さい。
アイロンを掛けたばかりの時は、剥がれやすい状態ですが、冷めて乾くと安定します。ちょっと置いて、しっかりと接着が出来ていれば完成です。
ワッペンが剥がれる原因の1つが、安定する前にいじってしまったことによるものです。気長に待ちましょう。
まつり縫いで補強するのもおすすめです
ワッペンは接着剤で付けている状態のため、引っかけたり、こすると剥がれることがあります。また洋服でもよく動かす部位に貼ると生地が伸び縮みして、剥がれやすくなります。何度も洗濯をすることも同様に剥がれる原因です。
そのため頻繁に洗濯をするようなお洋服や、引っかけやすい靴やバッグなどは、ワッペンの端っこを軽くまつり縫いしたり、かがっておく方が安心です。
お気に入りのワッペンがいつの間にか取れて無くなっていた!なんてことが防げます。
完成品サンプル:オリジナルTシャツが簡単に作れます
刺繍ワッペンは好きな場所に後から付けられるので便利です。お洋服をカスタマイズしたり、自分仕様のオリジナルアイテムにするのに最適です。
ワッペンは洋服カスタムで最もハードルが低いです。
自分でお洋服をリメイクしたり、カスタムするのは大変ですが、ワッペンならばアイロンがあれば誰でも気軽にお洋服のカスタマイズが出来ます。
敷居が低いので、オリジナリティを出すには最も簡単な方法です。洋服カスタムに興味がある初心者のお客さまにおすすめです。
刺繍ワッペンのアレンジオプション比較表
オプションの種類 | 仕様とサイズ | 特徴 | 加工費 |
---|---|---|---|
アイロンワッペン |
標準加工のアイロンワッペン 中温(150℃前後)仕様 |
mimi刺繍の刺繍ワッペンの標準加工。アイロンで簡単に接着できます。ご指定が無ければ通常はこちらの仕様でお届けします。 | 無料 |
刺繍ステッカー |
シール+アイロン両用ワッペン 中温(150℃前後)仕様 |
アイロンワッペンとシールの2WAY仕様。裏紙を剥がせばステッカー(シール)としてすぐに使えます。粘着力が落ちたらアイロンワッペンとして再利用できます。 | 無料 |
刺繍ワッペンブローチB |
フェルト芯補強+ブローチピン サイズ:30㎜~80㎜まで |
ハンドワークの背面の処理が美しいフェルト芯のワッペンブローチ。高級感があります。サイズが大きいものはNG。 | +200円 |
刺繍ワッペンブローチC |
フェルト芯補強+安全ピン付きクリップ サイズ:40㎜~応相談 |
安全ピンと大型クリップの2WAY仕様。フェルト芯で補強する背面の処理は同じ。大きいサイズでもしっかりとしたワッペンブローチになります。プラスチック製。 | +150円 |