ワッペンvs直に生地に刺繍、どっちがいいの?
mimi刺繍ではTシャツに大きく刺繍したい、帽子に直接刺繍したい、そんなお客様にワッペンでの制作をおすすめしています。それは何故か? ダイレクトな刺繍(直刺繍)には直刺繍の、ワッペンにはワッペンの向き不向きがあるからです。どちらが良い悪いではなく、メリットと適性が違うのです。
mimi刺繍はデザイナー自身が実際に自分のブランドでオリジナル刺繍グッズを作っているので、基本的にオーダー主さん目線。これまでたくさんのアーティストさんやこだわりの趣味人の方々と刺繍グッズを作ってきました。そんな職人視点で、ワッペンと直刺繍のメリット、デメリットについて解説したいと思います。
ワッペンがおすすめな方
- オリジナルグッズをたくさん作りたい方
- 複雑な刺繍をオーダーしたい方
- お肌が敏感な方
- 1枚ごとの単価を低くしたい方
(1)オリジナルグッズをたくさん作りたい方
ワッペンは複雑な刺繍をたくさん作るのに向いています。生地に直接、刺繍するわけでは無いので、デザイナーといっしょにサンプルを複数作って、試行錯誤することもできます。
というのも、mimi刺繍ではオーダー主さんに作成したサンプルを送って出来映えを見てもらい、その意見をそのまま本制作に反映させているからです。こんな感じ↓でやりとりしてます。
オーダー主さんとデザイナーミミ子のやりとり例
- 細かな部分はかなり省略させて頂きました。ラコステサイズだとこのぐらいになります。
ワニの手や口回りなどはこちらで大きくさせていただきました。
サイズ、糸色合わせてご確認をお願い致します。 - サンプルありがとうございます。昨日届きました!
すごい細かく再現していただいて感動しました!
手の色も【ミミ子】さんが作成した色の方が見やすく、顔も柄のない方が良かったです!(*^^*)
サイズもちょうどいい大きさで大満足です!
ぜひ、こちらのままで引き続きお願いしたいです。
オーダー主さんもいきなりこれが完成品です!って送りつけられるより、実際にお試しのサンプルを送ってもらい、手に取って見比べて、質感や色感を確認して検討した方が絶対に満足の行くグッズができます。
コミックマーケットや独自ブランドでより良いオリジナルグッズを大量に作るなら、間違いなくワッペンがおすすめです。
(2)複雑な刺繍をオーダーしたい方
ワッペンは直刺繍よりも複雑な刺繍を作ることが容易です。ワッペンは刺繍する方向や生地の強度を気にしなくて良いため、デザインの再現度は直刺繍よりも上がります。また試行錯誤も容易なため、同じ費用と労力で完成度を高めることができます。複雑なデザインをご希望のお客様にはワッペンをおすすめしています。
(3)お肌が敏感な方
お肌が敏感な人はワッペンの方が絶対におすすめです。ちくちくしません。ワッペンは固いのでお肌に優しくない、そんなイメージがありますが、直刺繍と比べたらそれは間違い。直刺繍の方がよりちくちくしてお肌が痛みます。
有名なラコステのワニのマークを思い出してください。ほとんど縁取りされたワッペンじゃありませんか? 直刺繍だと裏面に糸が出てしまうので、お肌に当たって気になります。元々がテニスウェアだからこそ着心地を重視しているんだと思います。
(4)1枚ごとの単価を低くしたい方
ワッペンはサンプルを別で作れるので、現物にダイレクトに刺繍を施す直刺繍と比べてハードルが下がります。デザイナー=実作者のストレスや労力も減るため、単価もその分、安くなります。
ワッペンのメリット・デメリット
ワッペンのメリット
- 自由度が高い。好きな場所に付けられる
- 別制作なので難しいデザインでも刺繍できる
- 刺繍できない革製品もカスタマイズできる
- 肌に優しい。裏の糸がちくちくしない
- しっかりした生地に刺繍するので耐久性が高い
- 1枚単位での単価は安くなる
ワッペンのデメリット
- 熱に弱い生地には接着できない
- 触って固い感じがする
- 安く作ると型が限られる
- 子供っぽいイメージ
- 生地の分、盛り上がってしまう
- 周りの縁取りの分、デザインに制約がある
直刺繍がおすすめな方
- 高級感のある刺繍を施したい方
- 持ち物にちょっとした刺繍を加えたい方
- 1枚~少しだけ欲しい方
- 複雑な刺繍は必要ない方
- 完全なオリジナルグッズを作りたい方
(1)高級感のある刺繍を施したい方
生地にダイレクトに刺繍を施す「直刺繍」は刺繍の花です。これぞ刺繍!という雰囲気が出ますし、高級感もあります。特別な贈り物、一点物のプレゼントにはこちらがおすすめ。
ただしポロシャツやタオルなど実用品に刺繍するのであれば使用感や使う上でのデメリットもきちんと理解してあげてください。
(2)持ち物にちょっとした刺繍を加えたい方
直刺繍で多いのが、お手持ちのアイテムにちょっとだけ刺繍を加えてカスタマイズしたいというお客様です。ほんのちょっとだけ、既存のデザインを入れる、というのであれば、向いてます。
ただし簡単そうに見えても、刺繍ミシンでは入れるのが難しい場所があります。どこが刺繍ミシンにとって難しい場所で、どこが入れやすいのかは判断が難しいと思いますので、まずは実際にアイテムをお持ちになり、ご相談ください。
(3) 一枚~少しだけ欲しい方
ワッペンほど多くの量はいらない、少しだけ欲しい、そういう方にも直刺繍はおすすめ。一点物が気軽に作れます。アイテムにもよりますがワッペンよりも総額がお安くなることが多いです。
ただし刺繍がオリジナルデザインだとワッペンと同等かそれ以上のお値段になります。お気軽にお声掛けいただきありがたいのですが、値段設定や生地の問題などトラブルも多いため、どうしてもというお客様以外はお断りすることが多いです。
(4)複雑な刺繍は必要ない方
直刺繍はアイテムに直接、刺繍をするために、生地を傷めやすく、複雑な表現には向いていません。簡単な刺繍を軽く入れる、ぐらいがおすすめ。刺繍に向く生地、向かない生地、そもそもmimi刺繍のミシンでは刺繍できない生地もあるため、こちらも直接、アイテムを持ち込んでご相談ください。
(5)完全なオリジナルグッズを作りたい方
直刺繍は気軽にできるイメージですが、技術も手間も段違い。これがけっこうお金がかかります。特にオリジナルデザインだと数千円以上します。
それを踏まえても完全なオリジナルグッズが欲しい! 世界で1品しかない物が欲しい! そんなマニアックな方はぜひ、mimi刺繍へ! 難しい刺繍のご連絡もお待ちしております。\(^o^)/
直刺繍のメリット・デメリット
直刺繍のメリット
- 一点物で、より高級感がある
- 小さな刺繍に向く
- 型が無いのでデザインに制約が無い
- 熱に弱い生地でも刺繍ができる
直刺繍のデメリット
- 裏地が直接、肌に触れるので気になる
- 刺繍できる場所や生地が限られる
- 生地が傷みやすい
- 複雑なデザインは難しい
- サンプルが別に用意できないとぶっつけ本番で代替できない
- リスク管理費と技術料がかかる分、値段が高くなる
ワッペンにするか?直に生地に刺繍するか?選び方のまとめ
いかがでしたでしょうか?
直刺繍は気軽ですが、自由度が高い分、お値段も難易度もピンからキリまで。ワッペンよりもずいぶん高くなることもあります。その代わり、気軽に刺繍を入れられたり、裾野が広いのもメリットです。
一方でワッペンは完成度の高いオリジナルグッズをたくさん作れるメリットがあります。発注量によりますが、単価が安く、トータルでもお値段が抑えられます。
ダイレクトな刺繍もワッペンもどちらが上とか下とかありません。薄く作ればワッペンと直刺繍の違いはほぼわからないぐらいです。用途に合わせて使い分けるのがおすすめ。お気軽にご相談ください。